人生は運しだい
「でもうまく世渡りしていく人もいますよ」と言われました。
確かにそうですね。その言葉がずっと引っかかってました。でも最近なんとなく分かってきたんですよ。
人生なんてしょせん運しだい。
ホリエモンはものすごく成功しました。彼には能力もあったし、人一倍努力もしたでしょう。
でもしょせん運が良かっただけだと思う。必要な時に必要な努力をして、必要な人と出会い、必要なチャンスとめぐり合った。
イチロー選手だってあれだけ熱心に指導してくれる親の元に生まれなかったら、今の彼はなかったでしょう。
村上春樹さんは自伝の中で30歳くらいまでバーを経営してたけど、ヤクルトが好きで神宮球場で野球を見てて、たまたまヤクルトの選手がファウルを打ったのを見て小説家になろうと思ったと書いてます。
優秀な人がたくさん起業しましたが、やはり運がいい人だけが残ってる気がする。
もちろん努力も大切ですが、人生しょせん運しだいと思うと、生きることがすごく楽になる。嫉妬もなくなる。
僕の会社がこの不景気の中でもうまく行ってるのだって運が良かっただけだ。
たまたま若い頃に父が亡くなり、僕がやるしかなかった。その頃は会社の転機で、僕が変えなかったら時代についていけなかっただろう。
だいたい40歳以下の若手の2世経営者は甘やかされてきた人ばかりだ。
すごいなと思う人のほとんどは若くして親を亡くすか、親が大量の借金をしてる人が多い。
父が亡くなった時はものすごく辛かったけど、今はその経験を感謝してる。
父は僕に人は誰でもいつか死ぬということも教えてくれた。
亡くなる直前まで「すぐ良くなるから、それまで会社とお母さんを頼む」と言って死んでいった。
この父の子でほんとに良かったと思った。
僕は高校時代まったく勉強についていけなくて、あまり学校に行かない子だった。
でも浪人して予備校の初めのマーク模試がの偏差値がたしか25ぐらいだったと思う。
その時先生に「この偏差値は幼稚園児が適当にマークしても取れる偏差値です」と言われてすごく悔しかった。
でもおかげで勉強に目覚めた。僕は勉強が嫌いで学校に行かないと思っていたら、ただ単に団体行動が嫌いなだけだった。
その後、食べる暇を惜しんでさえ勉強した。勉強が楽しくてたまらなかった。
ただでさえ細身の体重は5キロ減り、高校の知り合いからは僕が悪い薬を始めたとうわさが流れた。
自律神経失調になり、今でも時々おなかが痛くなる。
でもおかげでその後仕事しながら様々な資格を取れた。
資格試験の勉強をすると浪人時代に手に入れたスキルがすごく生きる。
宅建を一発合格したのだってあの浪人時代がなかったら無理だろう。
ほんとに運が良かった。「この偏差値は幼稚園児が適当にマークしても取れる偏差値です」と言われなかったら今の僕はなかった。
オペラの世界もそうだ。僕は前の先生についてた頃は声が大きくやかましいだけとよく言われた。
週1回6年間レッスンに通ったけどもちっとも壁を乗り越えれなかった。
でもたまたま今の師匠に出会って人生が変わった。
実は師匠に一度弟子入りを断られている。その頃は学校の先生をやってみえたので、忙しいから無理ですと言われた。
でも僕が一番悩んでいた時期、師匠は先生を辞めてフリーになった。
僕は運良くたまたまその情報を知り、すぐ弟子にしてもらった。たぶん師匠がフリーになった初めての弟子が僕だ。
おかげさまで今では月に一回ほど出番をいただいて歌っている。ほんとに運が良かった。
運は誰でも平等だ。でもそれが舞い込んできたとき、どれだけ真剣にその運に向き合うかが大切だろう。
もちろんがんばらなくても平凡な人生でいいという人もたくさんいる。今はそういう人のほうが多いかもしれない。
一ついえることは習慣が運を作ると思う。
その代表例が「夢をかなえるゾウ」。この本はほんとに上手く作ってある。
ただの過去の成功のした人の習慣の事例集だけど、関西弁のゾウに語らせることで万人に読みやすくなってる。
僕も1笑顔であいさつする、2早寝早起き、3靴をそろえる、4落ちてるゴミは拾う、5親を大切にする、この5つの習慣に気をつけてます。
よい習慣は大切だ。人が習慣をつくり、最後には習慣が人を造る。
これからの成功はお金じゃない。それよりいかに絵になる人生を生きるかだ。
上手く世渡りして成功するより、成功の向こう側に膨大な失敗がある人生の方が絵になる。その代表例がプロジェクトX。
人は年を取ると保守的になる。それは生きていく為に保守的になっていくんだろう。
でもしょせん人は誰もがどうせ死ぬ。だからいろいろなことに挑戦していこう。
大成功するより、小さな成功体験を積み重ねる人生の方が楽しいし、絵になるな。
とりあえずお疲れ様でした。