【㈲可児設備 社長の週末日記vol148】浅野撚糸

浅野撚糸

ー奇跡のタオル「エアーかおる」に込められた執念の物語ー

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https://www.youtube.com/shorts/g_Q0QW0Kx4w

岐阜が世界に誇る、吸水力3倍の魔法のようなタオル「エアーかおる」。

その誕生には、想像を超えるドラマがありました。

岐阜県といえば、土岐・多治見の陶磁器、関の刃物、美濃の和紙と、昔ながらの地場産業が今もなお息づく場所です。

かつては岐阜市を中心に、撚糸業も盛んでした。

しかし時代の波とともに、次第にその光は失われていきました。

そんな中、安八町にある浅野撚糸株式会社が立ち上がります。

社長の浅野雅己さん。彼の歩みは、まさに逆境の連続でした。

もともと学校の先生だった浅野さんは、1995年、最愛のお母様の死をきっかけに、家業を継ぐことを決意。

二代目社長として、糸づくりの世界へ戻ってきます。

しかし2000年代に入り、中国からの安価な糸が大量に出回り、日本の撚糸業は未曾有の危機に。

かつて7億円あった売上は、わずか2億円にまで減少。廃業を口にする先代の父。

誰もが「もう無理だ」と思ったそのとき、浅野さんだけは「協力工場の仲間たちを守りたい」と、ただその一心で新しい糸づくりに挑みます。

そして運命を変える“偶然”が訪れます。

取引先から紹介された「お湯で溶ける不思議な糸=水溶性糸」。

普通の人なら見過ごすかもしれないその素材に、浅野さんは可能性を見出します。

2年に及ぶ試行錯誤の末、ついに“世界初”の撚糸が誕生。

それを携え、地銀の紹介で訪れたのは、三重県の老舗「おぼろタオル」。

しかしこの会社もまた、全盛期の1/3の売上に落ち込み、廃業寸前の状態でした。

「もう後がない。だからこそ、賭けてみよう」

おぼろタオルの加藤社長もまた、崖っぷちの中で手を取りました。

こうして、廃業寸前の2つの中小企業がタッグを組み、これまでにない、新しい命を吹き込まれたタオル「エアーかおる」が誕生したのです。

まるで池井戸潤さんの小説を地で行くような物語。

でもこれは、まぎれもなく現実に起こった奇跡です。

私は実際に浅野社長の講演を生で聞いたことがあります。

そのときのお話の中で、2003年のリストラの話を語るとき、浅野さんの声が震えていました。

「地獄だった」——その一言に、どれだけの想いと苦しみがあったか。

聞いている私も、胸が締め付けられました。

けれど、そこを乗り越えて、浅野さんは奇跡を起こしました。

ただ売れる商品を作るのではなく、「人を想う気持ち」と「職人魂」が織り込まれた、唯一無二のタオル。

私も、知人に赤ちゃんが生まれたときには、必ずこの「エアーかおる」を贈るようにしています。

同じ経営者として、浅野社長の物語は、私の心を深く揺さぶります。

諦めない勇気、仲間を想う気持ち、信じ抜く力。

これからもずっと、このタオルを伝えていきたいと思います。

来週は浅野社長が、復興のために福島に工場を建てた感動のストーリーをお届けします。

それでは来週も、皆さまが笑顔で健康に過ごせますように。

可児修司

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