心経塾でした②
昨日の心経塾の中で、澤先生がこんな文章を紹介されました。
これは小学校5年生の子が参観日に家族について書いた作文を発表したものです。
「私の母ちゃん、バカ母ちゃん」
私の母ちゃんは本当にバカです。
いつも失敗ばかりしています。
炊事洗濯をいっしょにするから、煮物の途中でシャツを干そうとしていて、煮物が吹きこぼれ、火を止めに走ろうとすると、竿に通しかけたシャツは地面に放り出されます。
シャツは泥だらけ、そして煮物の鍋をひっくり返してしまい台無しです。
するとバカ母ちゃんは、ひょうきんにすぐおどけて謝ります。
「こんな私で悪かった。ごめんね父ちゃん、カンベンな。」
すると父ちゃんは「バカだなぁ」と言って笑います。
そういう父ちゃんもバカ父ちゃんです。
いつかの日曜日、皆で朝ごはんを食べていると、奥から慌ててズボンと洋服を着ながらカバンを抱えて茶の間を走り抜けていきました。
「ああ、もうダメだ。こりゃいかん。」と言って玄関から飛び出して行ってしまいました。
「まただね!しばらくして帰って来るからね。」と母ちゃんは落ち着いたものです。
すると案の定、父ちゃんは帰って来て恥ずかしそうに
「また無駄な努力をしてしまった。日曜日だというのに、ハハハ・・・。」といい訳を言っています。
そんなバカ父ちゃんとバカ母ちゃんの間に生まれた私が利口なはずがありません。
もちろん弟もバカです。私のところは家中皆バカです。
でも私は・・・、私はそんなバカ母ちゃんが大好きです。
世界中の誰よりも一番好きです。
私は大きくなったらうちのバカ母ちゃんのような大人になって、うちのバカ父ちゃんのような男の人と結婚して、子供も産みます。
そして私のようなバカ姉ちゃんと弟のようなバカ弟をつくって、家中バカ一家で、今の私の家のように、明るくて、楽しい家庭にしたいと思います。
バカ母ちゃん、その時まで元気でいて下さいね。
作文を読み上げた少女の後ろにはハンカチで大粒の涙を隠す、バカ母ちゃんがいた。