村上ファンド
悪いことをしたかもしれないが、はっきりいって悔しい。
ライブドア堀江前社長のように旧体制に戦いを挑んだだけに・・・。
確かにライブドアにニッポン放送株を買うように言っただろうが、それだけで果たしてインサイダー取引になるのだろうか?
村上ファンドは一般のイメージとは異なり法令順守には厳格で、弁護士、証券のプロ、税理士など専門家を配し、細部にわたってチェックしているため、今回のようなバレやすい過ちは犯すはずがないように思う。
ではなぜ?
どう考えても特捜にハメられた感が強い。
ライブドア事件で大騒ぎしたものの、粉飾決算程度しか掴めず 『なんで上場廃止に追い込んだ?』という批判が出ている。
これをかわすため、別の事件で世間の耳目を引かなければならない。
その格好のターゲットが村上ファンドだったのではないだろうか?
しかし、村上氏はインサイダーを認め謝罪し業界からも引退するという。
なぜこうもアッサリと引いてしまったのか?
今回の「降伏」の背景については、ファンドのお客の「情報」を検察に話すことで、情状酌量してもらったのではないか。
裁判をすれば長期化する。
すると、知られたくないような事まで検察やマスコミに追及され、驚くような事実や推測がボロボロ出てくるかもしれない。
村上氏は人間関係を大切にするので、世話になった人にまで事件追及の被害が及ぶのを嫌ったのではないか。
この点は堀江被告と対照的である。
堀江被告は事件について否認を続け、自分が助かれば周りの仲間や恩人まで犠牲にしてもかまわない、というような対応だった。
村上氏は『全て自分の責任』として罪を被り、周りの人間を守ろうとしたのではないか。
村上氏が守ろうとしたのは滝沢建也、丸木強といった共に経営を支えてきた村上ファンド副社長。
また、村上ファンドの設立と経営に大きく関与していたオリックスの宮内義彦オーナー。
アドバイザーになっていた日本銀行の福井俊彦総裁も含まれるのでは。
今回の事件で日本の金融界や企業はどんな影響を受けるのか?
今でさえファンド後進国の日本なのに、さらに5年前にセットバック(後退)するであろう。
中国、インドとの差も広がり、気が付いてみたら…ということになりかねないのではないだろうか・・・。
『物言う株主』が退場し、ぬるま湯経営者がぬるま湯のまま存続していく。
この国はそんな危惧を抱いている。